CSParkの姉妹サービスとして2014年より始まった体育会学生の就職サポートサービス"CSPark Career"。 ここでは体育会学生が就職活動と部活動の2つを両立し、共に全力で取り組めるようなイベントやサービスを提供していますが、今回からそのサポートの一環としてCSParkと連動した"元体育会学生"によるインタビューを連載していきます。
"体育会の強みって?"
"スポーツしかやっていなくて就職活動が不安…"
"実際に先輩たちはどういう仕事をしているの?"
… など、自分の進路を考える上で悩みは尽きないもの。その疑問や不安を解消し、1人1人の体育会学生が自信を持って就職活動に臨めるように、先輩たちが部活 に励む体育会学生の皆さんへのメッセージを添え てインタビューに協力をしてくれました。第6回は順天堂大学女子硬式庭球部の卒業生であり、現在はゼビオ株式会社にてご活躍中の清水香さんにお話を伺いました。
四六時中、チームのことを考えていた。
−まずは、スポーツ歴を教えて下さい。
小学生の頃、水泳とテニスを始め、中学生からはテニスを中心に勧誘を受けた駅伝部と両立して高校まで続けました。
−大学はどういう形で選んだのでしょうか。
スポーツを続ける中で怪我も経験し、”きちんとした食事ができていたのかな"という後悔をしたこともありました。それらの経験から「身体のことを学びたい」と強く思ったんです。最初は、このような単純な理由でしたが、昔から人に何かを教えることが好きだったため、教師を目指すことも視野に入れ、それらが全て実現できそうな大学として順天堂大学を選びました。
−部活はやるつもりだったのでしょうか。
全く、部活で続けるつもりはありませんでした。大学生のイメージはサークル活動だったので、サークルでテニスを続けられればいいと思っていました。しかし、学内にテニスサークルがなかったんです(笑)
−大学の体育会部活に入って感じたギャップ、大変だったことはありますか?
中・高時代は、「先輩が言ったことは、絶対」というトップダウンの環境でしたが、大学では、和気あいあいと「テニスを楽しむ」という部分に重きを置いていたので、そのような環境に慣れていない中、どう取り組むべきか最初は戸惑いもありました。部活自体は、週に5日、2時間半ぐらいの練習があり、その練習自体も自分たちでメニューを作り、日々練習に励んでいました。それらの役割を担うのは主将で、私がほぼ全てをやらせていただきました。一日の練習が終わると次のことを考えなければいけないし、その時々、全体で必要なことと個人で必要なことは異なります。その部分を考えながら、部員の声を一部取り込み、チームとして弱い部分を強化する仕組みを作るために、四六時中、チームのことを考えていました。高校時代も1年間、メニューを作っていましが、ここまでチームのことを考えながら毎日過ごすというのは、貴重な時間でした。
−ただ、その経験は社会でも生きたのではないでしょうか。
それぞれ接する人がどういう人なのか、何が強みで何が弱みかという「人を観察する」という点では、生きているかなと。ただ、今、壁にあたっているのが”強みと弱みを理解した上でそれをどう伸ばしていけばチームとして良くなるか”というところです。そこは、私の中で課題となっています。
「初めて説明会に参加した際、人事の方々に惹きつけられました」
−ご自身の就活を振り返ってみると、いかがでしたか?
周囲は、意気込みがすごくて、就活のスイッチが入ったかのようにやっていました。私もこのままではマズいかなと思い、10月より以前にインターンも行っていましたし、それなりに行動はしていましたね。参加したインターンは、1dayのものですね。1dayであれば参加できたので、部活をやっている人にとってはありがたかったです。私は「これをやりたい」という明確なものはなかったのですが、教師か、勉強をしてきた”健康”というキーワードを基に就職活動を行う中で、ゼビオと出逢いました。初めて説明会に参加した際、人事の方々に惹きつけられました。さらに、選考を進む中で働くイメージが湧き、興味を持って、より企業について調べました。自分の学んできたことやこれから学びたいと思える分野が一番出来る企業だと思ったのが、最終的な決め手となりました。
−"この会社に入りたい”と思ってから具体的にどういったことに取り組みましたか?
まずは、店舗に足を運びましたね。近隣に、ゼビオのお店が3店舗くらいあったので、その3店舗に通い詰めました。その中で、どんな人達が働いていて、どんな商品を扱っているのかということが把握できました。さらに、「スポーツ小売において、販売以外で何ができるんだろう」という疑問もあったため、説明会でいただいたパンフレットやインターネットで調べ、OB・OG訪問を行い、リアルな情報をとにかく集めました。 ゼビオでは、スポーツ小売をコア事業として、スポーツ産業(プロスポーツチーム運営、施設事業など)やスポーツ隣接産業(医療やアパレルなど)に様々な事業展開を行っています。
−その結果、入社が果たせた訳ですが、入社後に歴任した業務を教えて下さい。
まずは、広島の店舗に配属になり、販売員として小売業の基礎・基本を学びました。販売の原理原則を学んだり、売場のレイアウト作りや在庫コントロールなど、業務を覚えることで必死でした。最初は、シューズ部門で研修を行い、その後、サッカー部門も担当しました。シューズは、どの競技にも共通する基本的な部分を学ぶにはうってつけで、シューズの種類やそれぞれの製品の特性など事細かに覚えることで、お客様へ最適なシューズの提案をできるようになりました。次に、サッカー部門ですが、サッカーはやったこともなければ見たこともなかったので、まず選手の名前と選手が何を履いているかなどを覚えました。 地元のチームであるサンフレッチェ広島の佐藤寿人選手も良くご来店され、私の上司のお客様でもありました。当時の上司は、サッカー部門におけるスペシャリストで、その方は、実はディアドラというブランドを日本に持ってきた第一人者でもあるんです!私も、佐藤選手に紹介をしていただき、お子様の靴を選ばさせて頂きました。地域に根付いた店舗作りを心掛けているゼビオだからこそ、アスリートからお客様まで支持される売場作りを徹底しているんですね。その中で、上司にマンツーマンで指導頂いたことが、今の私の土台になっています。
−広島の後はどちらに行かれたのですか?
1年間広島で勤務した後に、湘南の店舗に異動になりました。比較的若い店舗だったので、異動当初は、数字を分析しながら売上を創ることに長けたスタッフが少なかったです。そのため、私が社員として、数字を分析しながら、的確な指示を出していかなければならなと自覚し、自ら売場の変更時期を提案するなど、様々なことにチャレンジしました。入社2年目にして、こういった責任感を持った仕事をやるのはとても難しいと思いますが、お店の方々と正面からぶつかったことで、最終的にはいつも背中を押してもらえました。
−大変だったことはありますか?
1番大変だったのは、エリア内での商品リーダーという仕事を任されたときです。エリアの数字を分析しながら、売上をアップさせることが任務です。毎週、各店舗に「今週はこれをやりましょう」「これをやったら売れます」という、週間対策事項を配信し、分析を繰り返しながらPDCAを回していく立場場です。今までそういう業務を経験したたことがなかったので、どうすれば良いかわからなかったですし、いざ取り組んでみたらエリアマネージャーから『もうやらなくていいよ!』なんて厳しい言葉を言われたりもしました。今年4月からトレッサ横浜店異動になりました。今は、私が4年目かつチーフ(部門責任者)という職位に上がったということもあり、今度は指導する立場として店舗を引っ張っていかなければいけないなと感じています。新期入社者や契約社員として働いてくださっている方々に様々な業務をできるように、マネジメントや教育という、今までとは異なる部分に重きをおいて仕事を行っています。
何度も立ち向かってきた経験と強さが体育会で育った女性にはある
−業務をこなしていく中で、体育会で良かったと思える部分はありますか?
きちんと計画を立て、やらなければいけないことをリストアップし、“これをどれだけの時間内でやっていくか”など、タイムマネジメントの作業は、テニスのメニューを決めていた頃と同じ感覚です。そのため、体育会で学んだ経験はかなり生きていると思いますね。あとは、テニスはマインドコントロールが凄く大事な競技で、メンタル面で弱ってしまうと相手に弱みに付け込まれるし、自分の中でも整理ができなくなります。今、部門のリーダーとして自分の気持ちを見せるというのは良くも悪くも部下にも影響するので、そういう精神面のコントロールというのは業務を行う上で役立っていると思います。
−体育会学生の強みはどういった部分でしょうか?
“やりきる”というところじゃないですかね。最後まで全て、負けじとやりきるというのは、昔も今も変わらずにやれているのかなと、自分自身で思います。周りを見ても、信念を持ってやっている人は多いですよね。そういったものは部活の中で養われているんだと思います。部活をやってきた中で成長をするために絶対に自分の中で挑戦したことは間違いなくあると思いますし、そこは自信を持って良いかなと思います。
−それでは最後に、就活をする体育会学生へメッセージをお願いします。
体育会で育った方はやりぬくことが出来ている方たちだと思いますので、自信を持って就活に臨んで下さい。あとは、女性の方は、興味を持ったところに関しては、福利厚生まで徹底的に調べ、自身の描くライフスタイルと合うような場所を選んでほしいなと思います。その中でやりぬくと。努力したことが認められて上に引き上げられる方々もゼビオにはたくさんいます。スポーツをやっている方たちは熱いですし、人望が付いてくると思うんですよね。この部分は、すごく大事だと思いますどこかでくじけることはあると思いますが、何度も立ち向かってきた経験と強さが体育会で育った女性にはあると思います。そう簡単にはくじけないし、やめないし、やれるところまでやってみようと。そういう方が多いと思うので、頑張ってください。
<取材・文・写真 / 竹中玲央奈>
清水 香 (しみず かおり)
順天堂大学 女子硬式庭球部 卒
ゼビオ株式会社
トレッサ横浜店 チーフ