いよいよ東京五輪まで2年後と迫りました。
今スポーツ業界は、世界的な国際大会が3年連続で日本で実施されることでゴールデンイヤーズを迎え、成長産業として経済活性化へ大きな流れがきており、様々な事業が大会開催に向けて動いている状況です。
具体的には2012年で5.5兆円であったスポーツ産業を2025年までに3倍の15.2兆円まで拡大していくことを日本復興戦略として目標設定しております。
ただ、大会開催はあくまで通過点であり、大会後に”日本の将来への成長基盤”、つまり”レガシー”を、いかに築いていけるかに期待が集まっております。
今回の五輪では、競技場や選手村、大会運営、観戦客消費などの直接的な効果は1.8兆円と試算されていますが、関連領域としての経済効果は28.4兆円と言われ、関連領域での効果が多く見込まれているので、本日は、従来のスポーツ産業のスポーツ用品業界やスポーツサービス情報産業などではなく、関連領域として周辺産業に関わる仕事を3選ご紹介します。
①観光業界
世界的な海外旅行需要から、日本においても中国や韓国・香港・台湾・シンガポールのNIEsなどのアジア圏のインバウンド需要が伸び、訪日外客は2010年の842万人から2020年では3,600万人超え2030年には6,000万人を達成すると試算しており、観光立国として宿泊施設の拡充や統合型リゾート、民泊などのハード面のインフラ整備が必要となっております。
また、地方観光の開発をキーとして価値の高い観光体験の提供をできるよう、スポーツツーリズムなどのソフト面の整備が求められており、五輪前後ではインバウンド客の一人当たり消費額も2-3割増加し20年では3.9兆円まで押し上げられると言われており、観光まちづくりを含め、いかに「より豊かなニッポン観光の創造」をしていくかが観光業界のテーマとなっている。
②ヘルスケア業界
交通インフラや構築物、情報など、文化・言語・国籍・年齢・障害・能力関係なく様々な方が楽しめるユニバーサルデザインの実現のためのダイバーシティ対応が急がれている中で、他先進国に先駆けて高齢化社会へと突入する日本だからこそ共生社会のあり方を世界へ提示していくことが求められており、ヘルスケアへの期待も大きく高まっております。
政府としても、超高齢化社会に伴い医療費総額が現在の42兆円から25年には54兆円まで増えると予測されている中で、スポーツの健康効果により数%でも抑圧できればと、週1回以上のスポーツ実施率を65%まで増やすことを目標にウォーキング推奨運動など様々な施策に取り組んでおり、民間企業においても健康寿命延伸のための予防サービスやウェアラブル端末・アプリ等での健康管理、治す医療から治し支える医療へと変換し在宅医療や住まい・生活支援・医療・介護・予防の5つを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築、コンパクトシティ化など、様々なヘルスケアビジネスの創出が期待されております。
③情報通信業界
社会全体のICT化推進も進められており、街中の無料無線LAN環境の整備や5G環境の実現、4K8Kの実用放送、デジタルサイネージ整備など、都市全体のサービスの質向上へ実現し、日本のおもてなしを情報通信から支えていく事業もそれぞれで進んでおります。
顔認証や指紋認証などの生体認証技術を活用したフィンテックの整備で、キャッシュレスカードレスを目指す動きも出てきており、日本が誇る様々な技術やサービス品質、安全性などを武器として新たな市場の創造を目指し、世界へとアピールしていくべく各企業の取り組みが加速しております。
以上、スポーツ産業はゴールデンイヤーを契機に、様々な周辺領域や資源と組み合わせ、経済活性化や社会課題解決に向け、新たな市場の創出や将来への成長基盤が築かれていく環境となっております。
スポーツへの関わり方も多様化している今、就職においてもこのような動向を踏まえて考えてみることも一つキャリアプランのヒントになるかもしれません。