はじめに
全国各地に存在していて、おそらくこの記事をご覧いただいているあなたも利用しているであろう「銀行」。
「お金」という意味では生活に欠かせないものであり、この世から銀行がなくなってしまうと経済は大混乱に陥ってしまうと言えるほどの影響力をもっています。
「金融業界」を紹介する記事では簡単に「銀行」についても触れていますが、今回はもう少し詳しく説明をしたいと思います。
業界について
「銀行」というのは、就活生にとって人気の就職先の1つです。全国規模で展開している「銀行」であれば採用人数もとても多く、消費者の生活を支えているという点でもやりがいを感じやすいため、毎年、エントリーが殺到しているという状況です。
まず、「銀行」における基本事項をおさらいしたいと思います。
主な業務内容
「銀行」の主な業務内容は大きく分けて「預金」、「貸付(融資)」があります。
「預金」
一般消費者や企業から「お金」を預かり管理する業務です。銀行の窓口で口座を開設し、ATMなどでお金を預けり引き出したりすることに関わることは全て「預金」業務になります。
日常生活の中で使う「銀行」という言葉は、この「預金」業務のことを指していることが多くはないでしょうか?
「貸付(融資)」業務を行うためには、銀行自体に「お金」が溜まっていなければいけないことを考えると、「銀行」の根幹を支える大切な業務と言えるでしょう。
「貸付(融資)」
「預金」で預かった「お金」を企業や個人などに貸すことで利息を取る業務のことです。「銀行」の主な収益源はこの「貸付(融資)」の利息になります。
何事にも共通することですが、新たな事業を興したい時には膨大な費用が掛かります。資金力のある大企業であれば問題ないですが、全ての企業に資金力があるわけではありません。
このようなときに「貸付(融資)」の需要が生まれます。つまり、社会の新規事業はこの「貸付(融資)」があるから成り立っているものが多いということです。
三大メガバンク
「三菱UFJ(赤)」、「三井住友(緑)」、「みずほ(青)」の3つの銀行を「三大メガバンク」と総称することがあります。業界内の売上シェアはこの3つが半分を占めており、就活生の人気もこの3つが独占しています。
どの「銀行」も大元をたどれば明治以降の日本を支えた財閥の流れを汲み、全国に支店を展開するほどの企業規模を誇っています。
規模が大きいということは、それだけ「預金」も集まるということで、金額の大きな「貸付(融資)」も行うことができるということです。「貸付(融資)」の金額が大きいということは、返ってくる利息も大きいということなので、収益も大きいということです。
この好循環が売上シェアの半分を占めていることに繋がっているのでしょう。
地方銀行
「メガバンク」とは異なり全国展開をせず(一部例外もあります。)、地域に根差した銀行を「地方銀行」と呼びます。大学進学のために地元を離れた学生のUターン就職の1つの手段としても人気です。
基本業務は「メガバンク」と同様ですが、「貸付(融資)」先に地元企業が多かったり、「預金」をしているのが地元住民であったりと地域密着で業務を展開しているのが「地方銀行」と言えるでしょう。
近年では地方の過疎化や都市部との経済格差などの影響により、地方銀行同士の合併が増えています。2018年に三重県にある第三銀行(松阪市)と三重銀行(四日市市)が合併して「三十三フィナンシャルグループ」が誕生したこと。東京都民銀王、八千代銀行、新銀行東京の3つが「きらぼし銀行」になりました。
地方格差はなかなか解決しない問題だと思うので、この地方銀行合併の流れは続いていくのではないかと予想されます。
信託銀行
「お金」以外にも「証券」や「不動産」などの資産を預かり運用することで利益を出すことが主な業務になります。
「お金」以外にも扱えるという意味では、その幅広さが魅力的ですが、「メガバンク」のグループ傘下である場合が多いです。
信用金庫
おなじ「お金」を扱う業務ではありますが、「信用金庫」は少し毛色が違います。預かった「お金」を基に利益を出すのが「銀行」であるのに対して、「信用金庫」は利益を出すことが目的ではありません。
その地域の住民から「お金」を集め、その運用も地域の発展のために行われるのが「信用金庫」で、関わる人すべてが地域住民となっています。
日本銀行
名前に「銀行」とはついていますが、こちらも毛色の異なる「銀行」です。「お金」を取り扱うことには変わりないのですが、基本的な業務は以下に分かれます。
「日本の中央銀行」
それぞれの国に1つだけ存在する「銀行」を「中央銀行」と呼ぶことがあります。日本に存在する組織・団体の中で唯一「日本円の発行」を行うことができるのが「中央銀行」なのです。
つい先日、紙幣のデザインが2024年に現行のものから新たなものへと変更になるとの発表がありました。この新しい紙幣を発行するもの「日本銀行」となるのです。
「銀行の銀行」
「メガバンク」や「地方銀行」などは基本的に、一般企業や個人に「貸付(融資)」を行うのですが、「日本銀行」はそれらの「銀行」を相手に「貸付(融資)」を行っています。
「政府の銀行」
国民から集めた税金や国債の購入費などを政府から預かり、管理する業務があります。
公務員の給与も「日本銀行」から支出されているようです。
ネット銀行
その名の通り、インターネットを利用して銀行業務を行うのが「ネット銀行」です。
インターネット上に存在している(もちろん、必要最低限の店舗はあります)ので、簡単に取引ができたり、どこからでもアクセスできるため、その利便性から人気が出始めています。
今後の動向
バブル崩壊による1990年代の不景気や、2008年のリーマンショックの影響を受け、それらの年前後は売り上げを大きく落としていた「銀行業界」ですが、2010年代は堅調に好調を維持しています。
しかし、2015年に「日本銀行」が導入したマイナス金利政策の影響を受け、収益があげづらい状況にあるのは事実です。また景気の影響をとても受けやすいため、今後も経済が大幅に傾いたときには大ダメージを受けてしまうことは避けられないでしょう。
この業界を志望するのであれば、もう1つ知っておかなければいけないことがあります。それは「FinTech(フィンテック)」のことです。
「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を合わせた造語になります。簡単に言えば、IT技術を金融にも活用していこうという流れになります。
1つ具体例を挙げると、2019年で消費税が10%に繰り上がったことで一気に「キャッシュレス化」の波が押し寄せましたが、それを実現させたのが「FinTech」です。
「お金」を扱うためにどうしても“お堅い”イメージがある「銀行」ですが、この「FinTech」という概念の登場により、少しだけイメージが“和らぐ”かもしれません。
最後に
現在は堅調な売上ですが、景気の影響をとても受けやすいという点では、ある意味不安定なのかもしれません。
ですが、生活になくてはならない「お金」を扱うことで人々を下支えできるということを考えると、とてもやりがいはある業界であると思います。
ただ一度立ち止まって考えてほしいのは、就活において一番大切なことは、自分に合った理想の働き方をするということです。
そのためにも、「自分の理想の働くスタイル」や「社風」などを見つけるために、自己分析や自己分析や企業研究は入念に行いましょう。
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