はじめに
江戸時代が終わり、近代を迎えた日本において、その発展を最も支えた技術の1つであろう「鉄道」。1872年に東京の新橋から横浜を繋いだ線路に蒸気機関車が走ったことから全ては始まりました。
誕生から150年近くを経て、現在では、電車に乗ったことが無いという人はほとんどいないと言えるほど、日々の生活には欠かせない「鉄道」。今回はこの「鉄道業界」について紹介したいと思います。
どんな業界なのか?
「鉄道」と聞いてまず思いつくのは、駅員か運転手でしょう。毎朝の通勤ラッシュや帰宅ラッシュ時の駅員の方の働きぶりを見ると、本当に過酷な職業であると感じてしまいます。もちろん、それだけが「鉄道業界」ではないので安心してください。
JR(東日本、西日本、東海、北海道、九州、四国 etc)
元々は「日本国有鉄道(国鉄)」という国が管理する事業の一つでした。鉄道の普及は、国を挙げての一大事業として、古くから日本を支えていたといいます。1987年に民営化を行い、旅客・貨物など全ての事業をそれぞれの株式企業を立ち上げて分割したのがいわゆる「JR」の始まりです。
ここで注意しなければいけないのは、「JR」と一括りにはされていますが、グループ企業ではないということ。元々が一つの事業であったので、協力関係にはあるし、本州に存在する各社は乗り入れなどを行ってはいますが、資本関係は一切ありません。「JRで働きたい」と興味を持つことは大切ですが、旅客なのか貨物なのか、それぞれどこの企業がいいのかということはしっかりと調べる必要があります。
またいわゆる「電車」以外にも、1964年から始まった「新幹線」の運行もJR各社が行っています。
私鉄(東武鉄道、西武鉄道、東京急行電鉄、東京メトロ etc)
元国鉄ではなく、最初から民間企業が事業を興したものを「国鉄」の対義語として「私鉄」と呼びます。1つの企業が全国各地に鉄道を張り巡らしているということはなく、基本的に地域限定で事業を行っています。
都心部の私鉄のトピックスを挙げると、地域に根差した路線をそれぞれ展開していましたが、2013年には各社が協力体制をとることで相互乗り入れを行い始めました。鉄道の運行を管理する私鉄各社にとっては、時刻表の調整や各種線路の整備など、導入コストはかかってしまいましたが、相互乗り入れをすることにより、改札を跨いでの乗り換えをしなければいけないという手間が省け、結果として利用客数が増加するということがありました。
車体製造会社(日本車輌製造、川崎重工業、日立製作所 etc)
JR、私鉄各社が使用している「電車」や「新幹線」の車輌はそれぞれが製造しているのではなく、車体製造会社が製造しています。車体製造会社が製造した車輌を各社が購入・あるいはリースしているというのが現在の車輌に関する状況です。
車輌というのは、製造したら長期間使用することはできますが、基本的には消耗品です。また、その時代時代によって利用客のニーズなども変わってきますので、定期的に新車輛が登場します。最近で注目を浴びたのは、東京都心を通るJR山手線の新車輛でしょうか。中吊り広告を廃止したり、荷棚の高さを低くするなどの改良がおこなわれた車輌です。導入時は1編成しかありませんでしたが、2020年には全編成に導入する計画を立てています。
今後の動向
「鉄道」はもはや日本人の生活の一部として根付いているので、市場が大きく縮小するということはありえないでしょう。ですが、他の業界と同様、景気の波の煽りを受けてしまうのは仕方がないといえます。
少子高齢化の影響で人口減少がもはや避けられない状態となっている日本においては、「鉄道」の利用者数も徐々に減っていくでしょう。しかし、過密化が進む都心部の一部路線においては通勤通学時間帯のラッシュ時の乗車率が200%近くなっていることも考えると、全体的には減っていくが、都心を走る路線においては利用者数が減ることは考えにくいというのが正しい表現かもしれません。
リーマンショックの影響をうけ、2010年頃には旅行などの中長距離での利用需要が減ってしまったという報告もあります。JR各社、私鉄各社はこの需要を回復させるために、様々な施策を考えていますが、中でも大きい施策の1つは「観光列車」です。在来線などの通常の路線ではなく、旅行目的の顧客に利用してもらう電車の車内サービスを充実させた「観光列車」の開発に力を入れています。特にJR九州の「ななつ星in九州」やJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」、JR東日本の「トランスイート四季の島」がこぞってデビューしました。利用金額が数十万円ほどになる「高級列車」ではありますが、予約がなかなかとりづらいほどの人気を集めているようです。
鉄道事業以外にも力を入れ始めている企業もあります。JR各社や一部有力私鉄は路線沿線に土地を持っているため不動産業へ進出したり、そこから派生したホテル業などを強化しています。そこには、利用客数の多い主要駅周辺の再開発事業を行うことで沿線の価値を高めようという狙いがあります。
最後に
世界的にみると、時刻表通りに鉄道が運行するということは非常に素晴らしいことのようです。それを支える各社の企業努力の賜物といったところでしょうか?
ゴールデンウイークや年末年始などの長期休暇時期の繁忙期や毎日の通勤通学時間の混雑など、毎年・毎日が非常に大変は業界であるかもしれません。ですが、日本での生活になくてはならない業界であることも間違いありません。人々の生活を下支えすることに魅力を感じることができる人にはとても向いている業界と言えるでしょう。
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